« 地方移住に関するアンケート | トップページ | 介護が必要になる不安 »

2015年7月 7日 (火)

在宅介護のお金と負担

昨日の投稿で、自宅での介護を希望する人が多い事を書きましたが、では在宅介護には一体どれくらいの費用がかかるのでしょうか?
少し前になりますが、公益財団法人 家計経済研究所在宅介護のお金と負担という調査を行っています。

以下、引用します。

まず在宅介護にかかる費用に関する調査結果から…

在宅介護の費用は1人当たり、平均で6万9千円

 在宅介護にかかる費用は、訪問ヘルパーやデイサービスの利用など介護保険による介護サービスの利用にかかる費用と、 医療費やおむつ代などの介護サービス以外の費用があります。 1ヵ月あたりの支出をみると、介護サービスの費用は全体の平均で 3万7千円でした。要介護度が高くになるにつれ、 支出額も高くなっています。 一方、介護サービス以外の費用は、全体平均で3万2千円でした。 こちらは要介護4が最も高くなっています。 両者をあわせた在宅介護にかかる1ヵ月あたりの費用の合計は、 全体平均で6万9千円でした。

 なお、支出を代表する値として、平均値の代わりに中央値を使うこともあります。 中央値とは支出額を値の高低順に並べたとき、真ん中に位置する人の値です。 極端に高い支出をしている人が少数でもいた場合、平均値は高めに出る傾向がありますが、 中央値はその影響をあまり受けません。図示はしていませんが、 中央値では介護サービスの費用は1万1千円、 介護サービス以外の費用は1万5千円、1ヶ月あたりの合計は4万4千円でした。 この平均値と中央値の間のズレは、高額の支出があった世帯が一定数いることを示しています。

引用の途中ですが、この調査の報告書を読んでみて、上記引用部分の後半に出てくる、「平均値」と「中央値」のズレは介護費用について考える上で、ポイントになるのではないかと感じました。

このあと介護費用の負担を軽くする方法として

 また、実際には3割の世帯では「高額医療・高額介護合算療養費制度」を利用していて、 その分、負担は軽くなっているものと思われます。 たとえば一般的な所得水準の場合、医療・介護保険の自己負担合計額が年間60~70万円を超えた金額は、 申請して認められると後から支給されます。

としています。

ここで紹介している「高額医療・高額介護合算療養費制度」のような、公的に認められた制度を最大限に活用する事が、介護費用の負担を少しでも軽くする上で、とても重要なポイントになります。

介護サービスへの支出に関しては以下のような内容なっています。

介護サービスの利用額は3万7千円

 介護保険では、要介護度に応じて月あたりの支給限度額が決まっています。 限度額までの範囲であれば、サービスの利用に応じて自己負担分は1割ですが、 限度額を超えると原則、全額自己負担となります。 介護保険のサービス利用料の1割自己負担額は全体の平均で1万3千円でした。 また全額自己負担分の全体平均は2万4千円で、 両者を合計した介護保険の介護サービス利用の負担総額は全体平均では3万7千円でした。
 多くの世帯では介護保険の支給限度の範囲内でサービスを利用しています。 ただ、限度以上の介護サービスを利用している世帯では、 介護保険ではカバーされない部分で負担が重くなっており、 要介護度が高いほど全額自己負担額も多くなっています。

 全額自己負担分の支出が発生するのは、(1)事業者のサービスを中心とした在宅介護をしている場合 (2)普段介護している家族が病気になった、あるいは要介護者の状況が悪化したときなど、 一時的に介護サービスをたくさん利用した、などの場合です。 要介護認定の段階ごとに決められている介護保険の限度額を超過して、 サービスを利用した場合の利用料は、全額(10割)自己負担となりますので、高額となりがちです。
 図示はしていませんが、中央値では介護保険によるサービス利用1割負担分1万円、 全額自己負担分500円、介護サービスへの支出合計1万1千円でした。 とくに、全額自己負担分の平均値と中央値の間にはとても大きなズレがあります。

 多くの世帯では、サービス利用は介護保険の限度額の範囲内であるため、 全額自己負担分の支出がありません。一方で世帯の数は多くありませんが、 全額自己負担分の支出があった世帯では、平均金額を大きく上回る支出をしていました。 そのため支出があった世帯と、なかった世帯とでの金額の差は大きくなっています。

ここでも「平均値」と「中央値」のズレの大きさを指摘しています。

そして介護サービス以外の支出に関しては以下のような内容になっています。

介護サービス以外の支出は3万2千円

 医療費やおむつ代など、介護保険による介護サービス以外に、 要介護高齢者のために必要な費用を4つに分類して集計しました。 内訳のうち、おむつ代や介護食などの介護用品は全体平均で1万3千円で、 要介護度が上がるほど負担が重くなっています。 また、医療費や税・社会保障も支出の中で大きな割合を占めています。

調査結果の内容は、このあと「認知症の影響」「生活への影響」と続きますが、今回はここ迄で留めておきたいと思います。

さて、途中で何度か指摘した「平均値」と「中央値」のズレの原因は、介護サービスを公的介護保険の支給限度額の範囲内で収めるか収めないかということのようです。

多くの方が公的介護保険の支給限度額の範囲内の介護サービスで問題ない様なのですが、公的介護保険の支給限度額の範囲内の介護サービスでは不十分なケースもあり得る。

不十分となる理由は色々あるでしょう。
しかし調査結果の内容を見ている限り、誰の身にも不十分となる事態は起きそうです。
その場合は多額の費用負担が生じることとなります。

こうした事態に対して、適切な準備しておく事が「良い介護」を受けるためのポイントになりそうです。

過去の記事より

高額介護サービス費


FP-Yoshikawaで検索してください

|

« 地方移住に関するアンケート | トップページ | 介護が必要になる不安 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 在宅介護のお金と負担:

« 地方移住に関するアンケート | トップページ | 介護が必要になる不安 »