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2016年5月30日 (月)

利用者負担段階の判定要件見直し③

5月26日、厚生労働省老健局介護保険計画課長から、各都道府県介護保険主管部(局)宛に、「介護保険法施行規則の一部を改正する省令等の公布について」、「介護保険法施行規則の一部を改正する省令等の施行に伴う留意事項について」、「「特定入所者介護(予防)サービス費における非課税年金勘案について」の周知について(協力依頼)」というタイトルの文書が出されました。

8月1日から行われる、「特定入所者介護(予防)サービス費」の見直しに関する内容の文書です。
このうち居住費(部屋代・食費)の見直しについて、今年3月26日に このブログでも取り上げましたが、重要なことなので改めて取り上げたいと思います。

そもそも、「特定入所者介護(予防)サービス費」とは…
介護施設に入所されている人等のうち、所得の低い人に対して居住費(部屋代・食費)の負担軽減を行うもので、所得の金額などに応じて3つの段階の負担軽減が行われています。

8月1日から行われる見直しは、従来 所得の判定の対象にしていなかった非課税年金(障害年金・遺族年金)を判定の対象にするというものです。
詳細については厚生労働省から出されている下のリーフレットを ご確認いただければ と思います。
(それぞれのリーフレットの画像をクリックすると拡大します。)
H2808__1 H2808__2

さて、この見直しの結果どのようなことが起こるのか…
障害基礎年金のみ受給されている人を例に考えて見たいと思います。
現在の障害基礎年金は…

  • 1級・・・・・年 975,125円(2級の年金額×1.25)
  • 2級・・・・・年 780,100円

となっており、その差は 195,025円で重度の障害の1級の人の方が高い年金額となっています。

今年の7月までは収入が障害基礎年金のみであれば、利用者負担段階は第2段階になっていました。
※先ほどのリーフレットから「利用者負担段階と負担限度額」の表を再掲します。ご確認ください。
(表をクリックすると拡大します。)
H2808_

今年の8月からは1級の障害基礎年金のみを受給されている人の場合、年金収入額が年間80万円を超えるため、利用者負担段階は第3段階となります。
2級の障害基礎年金のみを受給されている人の場合、年金収入額が年間80万円以下なので、利用者負担段階は第2段階となります。
つまり、重度の障害の1級の人の方が負担が重くなるということです。

では、利用者負担段階が第2段階と第3段階では、どれくらい負担の違いがあるのでしょうか?
先ほどの「利用者負担段階と負担限度額」の表を もとに試算したところ、年額 94,900~ 394,200円(月額約 7,800~ 32,400円)の負担の違いが出るようです。
年額 94,900円であれば、年金額の差である 195,025円以内に収まりますが、年額 394,200円になった場合、年金額の差には収まりません。
つまり、重度の障害が原因で年金として国から多くの保障をしてもらったがために、手許に残る年金は少なくなってしまう という理不尽な状態になりそうです。
「特定入所者介護(予防)サービス費」に関しては、前から理不尽の事例が あったのですが、今回の見直しにより理不尽さが拡大しそうです。

5月26日に厚生労働省から出された文書には、「予定」という文言がありましたので、もしかすると、何らかの調整が図られるかもしてません。
(私の調べた限りでは、今のところ そのような話はありませんが…)

今後、見直しが実施される8月1日まで色々と情報が出てくると思います。
何か見つけましたら、このブログから発信していくつもりでいます。

過去の記事より

利用者負担段階の判定要件見直し②


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