介護保険料の滞納②
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「差押え」に対しては、同情的な意見も見かけたことがありますが、では、滞納になっている介護保険料は、どれくらいあるのでしょうか?
次の表がその結果です。
(表をクリックすると拡大します。)
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(厚生労働省:「平成26年度 介護保険事業状況報告(年報)」より作成) |
収納額というのが、調定額のうち実際に納められた金額です。
不納欠損額というのが、滞納された保険料が、亡くなるなど何らかの事情で収納できなくなった金額です。
なお、特別徴収額については、原則として調定額が全て収納されますが(調停額と収納額が一致する)、何らかの事情で調定額と収納額が一致していない保険者が存在しました。
この不一致額については、便宜上、特別徴収額の不納欠損額にしています。
ご了承ください。
このデータによれば、平成25年以前から滞納状態にある介護保険料が 572億円、このうち、29.6%に あたる 169億円が何らかの事情で収納不能になりました。
また、平成26年度に調定された普通徴収分の介護保険料 2,152億円のうち、12.8%に あたる 276億円が新たに滞納となっています。
ただ、このデータを見ただけでは、この割合が高いのか低いのか分かりませんね。
そこで、他の保険制度と比べてみることにしました。
比べてみたのは、後期高齢者医療制度です。
それを まとめたのが次の表です。
(表をクリックすると拡大します。)
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(厚生労働省:「後期高齢者医療事業状況報告(年報:確報) 平成26年度」より作成) |
また、平成26年度に調定された普通徴収分の後期高齢者医療制度の保険料 4,620億円のうち、1.7%に あたる 78億円が新たに滞納となっています。
介護保険の保険料の滞納や不納欠損額(収納不能額)が、いかに多いかお分かりいただけたと思います。
差押えも仕方がないのか…
なんて思われました?
私は むしろ、もう少し保険料を下げても良いのでは、と考えています。
多分、保険料を算定する時点で、ある程度、不納欠損額が見込まれているでしょうから、その見込の仕方次第で、保険料を下げることが出来るような気がします。
そして、保険料を下げることで、滞納者が減るような気がします。
もちろん、保険料を下げることで、介護保険制度の財政状態が悪化するようではいけませんけど…
その辺りのサジ加減は難しいところですが、検討する価値は あると思います。
いずれにせよ、収納不能額は損失…
減らす工夫は必要だと思います。
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