移動弱者の解消
2月16日付の「介護のニュースサイト Joint」に、次の記事が掲載されました。
2月16日に行われた、政府の「第5回未来投資会議」について伝える記事です。
未来投資会議といえば、前に「人工知能でケアプランを?!」という投稿で紹介したことがありますよね。
記事のタイトルで想像できると思いますが、今回の「未来投資会議」では、「自動走行による移動革命について」が議論されました。
政府は16日の未来投資会議で、ドライバーが乗らない自動運転車によるサービスの展開に向けた工程表をまとめた。高齢者らを公道で送迎する実証実験を来年度から本格化させる。出席した安倍晋三首相は、「2020年までに地域の人手不足や移動弱者を解消する」と明言した。実現すれば要介護者の支援も効率化が図れそうだ。 |
(介護のニュースサイト Joint |
実現すれば素晴らしいと思います。
地方の高齢ドライバーで、運転免許証を返上する人も増えることでしょう。
しかし、現在の公共交通の整備状況からすると疑問を感じないでもありません。
では、現在の公共交通の整備状況は どのようになっているのか…
2月13日に内閣府から公表された、「公共交通に関する世論調査」に公共交通の利用頻度を尋ねたデータがありました。
公共交通の利用頻度が高ければ公共交通の整備が進んでおり、公共交通の利用頻度が低ければ、公共交通の整備が進んでいない、ということになります。
(グラフをクリックすると拡大します。)
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(内閣府:『「公共交通に関する世論調査」の概要』より) |
さすがに、大都市では公共交通を ほとんど利用しない人の割合は 37.8%(主に自動車を使うのでほとんど利用しない 24.7%、オートバイや自転車などを使うのでほとんど利用しない 4.8%、出かける機会が少なく、ほとんど利用しない 8.3%)に留まっています。
ところが、中都市になると公共交通を ほとんど利用しない人の割合は 66.8%(主に自動車を使うのでほとんど利用しない 51.2%、オートバイや自転車などを使うのでほとんど利用しない 6.2%、出かける機会が少なく、ほとんど利用しない 9.4%)となり、小都市では 79.8%(主に自動車を使うのでほとんど利用しない 67.3%、オートバイや自転車などを使うのでほとんど利用しない 5.0%、出かける機会が少なく、ほとんど利用しない 7.5%)、町村では 86.3%(主に自動車を使うのでほとんど利用しない 67.2%、オートバイや自転車などを使うのでほとんど利用しない 8.7%、出かける機会が少なく、ほとんど利用しない 10.4%)、と大都市以外では半数を超える人が公共交通を ほとんど利用していないのです。
そして、都市規模が小さくなるにしたがって、公共交通の利用頻度が低くなっています。
つまり、大都市以外では公共交通の整備が進んでおらず、都市規模が小さくなるにしたがって状況が酷くなる、ということになります。
だからこそ、「人」に依存しない自動運転ということなのでしょうが、自動運転には そのためのインフラが必要になってくるはず…
「2020年までに移動弱者を解消」ということは、残された期間はあと4年程度…
それまでに、自動運転に必要なインフラを整備することができるのか?
政府の お手並み拝見、というところですね。
過去の記事より
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