日常生活の困難程度(数百メートルくらい歩く)
先日から、内閣府の「高齢者の日常生活に関する意識調査」の中の、「日常生活を営む上で感じる不自由」に関するデータを紹介していますが、5回目の今日は、「数百メートルくらい歩く」です。
前に、「コンビニ難民」という投稿で、「徒歩圏内(具体的には300m以内)にコンビニがない人を「コンビニ難民」と呼ぶそうです。」ということを紹介しましたが、徒歩圏内のコンビニに行くことが難しいと考えている人は、どれくらいいるのでしょうか?
次のグラフが そのデータです。
(グラフをクリックすると拡大します。)
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(内閣府:「高齢者の日常生活に関する意識調査」より) |
「難しいと感じない」と答えている人の割合が 70.6%ですから、これまでに紹介した4つのデータより多くの人が、「難しく感じない」と答えています。
次に、細分化したデータを ご覧いただきます。
今回も、「年齢別」、「健康状態別」、「要介護認定別」のデータです。
次のグラフが そのデータです。
(グラフをクリックすると拡大します。)
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(内閣府:「高齢者の日常生活に関する意識調査」より作成) |
このデータでも、これまでに紹介した4つのデータと同様の傾向、つまり、74歳までは、「難しいと感じない」と答えている人の割合が全体の数値を上回り、75歳を超えると急激に、「難しいと感じない」と答えている人の割合が減っていく傾向です。
次のグラフが そのデータです。
(グラフをクリックすると拡大します。)
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(内閣府:「高齢者の日常生活に関する意識調査」より作成) |
健康状態を「良い」、「普通」と答えている人で、「難しいと感じない」と答えている人の割合が、全体の数値を上回っているのは、「掃除や散歩など適度な活動」、「階段を1階上までのぼる」、「体を前に曲げる、ひざまずくこと」と同じです。
「良くない」と答えている人で、「難しいと感じない」と答えている人の割合が一番多くなっていますが、これは前に紹介した4つのデータと違っています。
次のグラフが そのデータです。
(グラフをクリックすると拡大します。)
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(内閣府:「高齢者の日常生活に関する意識調査」より作成) |
要支援・要介護の人で、「とても難しいと感じる」と答えている人の割合が一番多くなっているのは、前の4つのデータと同じです。
ただ、要支援・要介護の人が、「とても難しいと感じる」と答えている人の割合は、「体を前に曲げる、ひざまずくこと(38.5%)」の方が少なくなっています。
このデータから、比較的軽度な要介護状態の人でも、「数百メートルくらい歩く」ことが、「とても難しいと感じる」人が少なからずいる、ということが考えられます。
であれば、買物などの支援を介護保険の給付から外すのは、慎重でなければいけない、と思ったりします。
(次の改正では外されないようですが…)
どちらにしても、制度の議論をする際には、こうしたデータを大いに参考にしていただきたいですね。
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