先日(8月3日)、「日本介護クラフトユニオンの署名活動」という投稿をした際に、1年前の「介護のニュースサイト Joint」の次の記事を取り上げました。
「介護職員が足りない」との回答が増加
5割超が「今の報酬では十分な賃金を払えない」
(介護のニュースサイト Joint)
公益財団法人介護労働安定センターの「平成27年度 介護労働実態調査」の内容を伝える記事だったのですが、私が、「日本介護クラフトユニオンの署名活動」を投稿した翌日、介護労働安定センターから、最新の実態調査が公表されました。
今日は、その最新の実態調査の内容を一部を紹介させて頂きます。
まず、従業員の過不足感です。
(グラフをクリックすると拡大します。)
従業員に関して、何らかの不足(「大いに不足」+「不足」+「やや不足」)を感じている事業所の割合が、62.6%となっています。
この割合は昨年の 61.3%より増えていますから、従業員の不足が深刻になっている、ということになります。
次に、従業員の不足感を時系列で見てみましょう。
(グラフをクリックすると拡大します。)
平成20年をピークとして、一旦、下がるのですが、その後上昇を続け、平成28年はピーク時に次ぐ状態になっています。
それでは、従業員が不足している理由はなんでしょうか?
(グラフをクリックすると拡大します。)
73.1%の事業所が、「採用が困難である」としていますね。
この理由は平成27年もトップでしたが、平成28年は さらに増えています。
この調査では、採用が困難な理由についても尋ねています。
(グラフをクリックすると拡大します。)
一番多いのが、「賃金が低い」で半数を超える(57.3%)事業所が採用が困難な理由に挙げています。
次に多いのが、「仕事がきつい(身体的・精神的)」で、これは半数近く(49.6%)の事業所が挙げています。
その次の、「社会的評価が低い」も4割を超える(41.1%)事業所が理由に挙げていますね。
「賃金が低い」は、「仕事がきつい」は、それで、「社会的評価が低い」と感じる様な仕事では、なかなか人は集まらないでしょう。
「社会的評価」に関しては、世の中全体で高めていかなければいけませんから、国が制度を見直すだけでは解決できないでしょう。
しかし、「仕事のきつさ」に見合う「賃金」を払えるようにするのは、制度の見直しなど、国の役割だと思います。
何とか国に解決してもらいたいですね。
最後に、冒頭に取り上げた
Joint の記事のタイトルの元になったデータですが、「介護サービスを運営する上での問題点」という項目の選択肢の一つになっています。
次のグラフがその結果です。
(グラフをクリックすると拡大します。)
「今の介護報酬では人材確保・定着のた
めに十分な賃金を払えない」という理由は、平成27年度の調査ではトップでしたが、平成28年度は二位になっています。
少しは介護報酬の問題は改善されたのでしょうか?
ただ、平成28年度の調査でトップなったのが、「良質な人材の確保が難しい」ですから、突き詰めれば「賃金」の問題になるような気がします。
であれば、介護報酬の問題は改善されていないと思うのですが…
そもそも、介護保険制度を作る時に介護報酬と賃金の関係を どの様に考えていたのでしょうか?
介護保険制度を作る時に、他の業界より著しく低い賃金になる様に制度設計をしていたのでしょうか?
もし、そんな制度設計をしたのであれば、職業として介護に従事する人達の賃金が低いのは当たり前ですし、人材不足になるのも当たり前です。
そんな間違った制度設計をしていないというのであれば、ぜひとも介護報酬に占める人件費の割合を開示して頂きたいと思います。
そうしない限り、職業として介護に従事する人達の賃金の問題は解決しないと思いますから…
過去の記事より
だからさぁ…

次のブログランキングに参加しています。
応援よろしくお願いします。
にほんブログ村 介護ブログ
人気blogランキングへ
FP-Yoshikawa介護ニュース
最近のコメント