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2017年9月17日 (日)

救急車を利用してもよいと思う状況

一昨日(9月15日)は、内閣府の「救急に関する世論調査」中から、「救急安心センター(#7119)推進への考え方」に関する調査の結果を取り上げました。
調査結果は、年齢が高くなるほど、「救急安心センター(#7119)推進」を「積極的に進めていくべき」と考えている人の割合が少なくなっていました。
その原因について私は、『「救急安心センター(#7119)」を利用するのは、救急車の要請をするか、しないかの判断に迷った時』であり、『そのような重大なことを任されても困る』と考えている人が多いのでは、と考えました。
でも、少し違うのかもしれません。

救急に関する世論調査」では、「どのようなときに救急車を利用してもよいと思うか」について尋ねています。
答えの選択肢は次の14種類(複数回答可)

  • 病院に行きたいが、救急車以外の移動手段 が思いつかない
  • 意識はあるが、何となく不安
  • 病気やけがをして長時間経過したが、症状が変わらない
  • 交通事故から長時間経過したが、念のため病院で診察を受けたい
  • 診察してくれる病院、診療科がわからない
  • 病院で順番待ちをせずに優先的に診察をしてもらいたい
  • お酒に酔って気持ち悪いが、自力で歩ける状態
  • 手足の擦り傷、切り傷や日焼けなどの皮膚の症状
  • 予約している病院に通院するため
  • 軽い風邪のような症状
  • お金をかけずに病院に行きたい
  • その他
  • 利用してよいと思うものはない
  • わからない

私の答えは、「利用してよいと思うものはない」ですが、世間の人は どの様に考えているのでしょうか?
結果は次のグラフの通りです。
(グラフをクリックすると拡大します。)
Photo
内閣府:「救急に関する世論調査」より)

57.8%の人が、「利用してよいと思うものはない」と答えていますね。
この結果を見て、「利用してよいと思うものはない」と答えている人が多いと考えるか、少ないと考えるかは、それぞれの価値観で異なると思いますが、私は少ないと思います。

「利用してよいと思うものはない」の次に多いのが、「病院に行きたいが、救急車以外の移動手段が思いつかない」です。
ただ、この答えって、「お金をかけずに病院に行きたい」と紙一重だと思いますが どうなんでしょう?
もっとも、人里はなれたところなど、交通手段が全くない場所で、何らかの事故に遭ったり・体調を崩した時など、仕方がない場合も考えられますよね。
(質問している側の意図は、どうなんでしょうね。)
その他の答えに関しては、「救急車を利用してもよいと思う状況」とは言えない、と私は思うのですが…

それでは、年代別では どのようになっているか?
次の表がその結果です。
(表をクリックすると拡大します。)
_
内閣府:「救急に関する世論調査」より)

「利用してよいと思うものはない」が「総数」より低くなっている年代が、18~29歳・60代・70歳以上です。
特に70歳以上は低いですよね。
年齢が高くなることで、自力での移動手段が限られてくるため、この様な傾向になるのでしょうか?
自動車運転免許証返上の問題と関連させて考えるべきことかもしれませんね。

この結果を見ると、「救急安心センター(#7119)推進」を「積極的に進めていくべき」と考えている人の割合が、年齢が高くなるほど少なくなっていくのは分かる様な気がします。

ただ、救急車は無限に使える訳ではありません。
重篤な症状の人が、優先的に使うべきものだと思います。
であれば、自力で病院に行ける人は救急車を安易に利用すべきではないですよね。

過去の記事より

地域の支え合いの機能を向上させるために有効な施策


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コメント

>(質問している側の意図は、どうなんでしょうね。)

全く、その通りだと思います。

個人的には、質問の内容そのものが曖昧なように感じました。

質問している側には、「救急車を使うな」という意図が透けているような気すらしてしまいます。

答えの選択肢には。緊急時であるというシチュエーションが(個人的には)あまり感じられず、

その上でこの14の選択肢しかないのであれば「利用してよいと思うものはない」に1票を投じてしまいます。

例えば「意識はあるが、何となく不安」ではなく、「意識はあるが、身体を動かすのが辛い」という選択肢なら

回答も変わったように思います。

吉川さんは、いかがでしょうか?

投稿: 北巳ひろゆか | 2017年9月22日 (金) 09時56分

北巳ひろゆか 様

コメント有り難うございます。

> >(質問している側の意図は、どうなんでしょうね。)

> 全く、その通りだと思います。

> 個人的には、質問の内容そのものが曖昧なように感じました。

ですよね。
だから、軽く考えた人は、「利用してよいと思うものはない」と答え、現実的に考えた人は、その他の答えを選んだのでは、と思ってしまいます。
結局、救急車の適正利用を啓蒙する目的で行われた意識調査のようですので、おっしゃるように「救急車を使うな」と感じる人がいても、おかしくないと思います。

> 例えば「意識はあるが、何となく不安」ではなく、「意識はあるが、身体を動かすのが辛い」という選択肢なら
>
> 回答も変わったように思います。
>
> 吉川さんは、いかがでしょうか?
同感ですね。
選択肢をもう少し具体的な内容にした方が良いですよね。

投稿: FP-Yoshikawa | 2017年9月25日 (月) 03時50分

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